『世界の一流は「休日」に何をしているのか』 越川 慎司 著

『体』 - 健全な身体と精神を保つ

とても快適な天気の週末になり、私も愛犬を連れて、近所の桜と菜の花を楽しんできました。一年のこの時期だけ楽しめる、はかないものですが、とてもきれいで大変リラックスしました。

 

そこで今回は、越川 慎司氏による、『世界の一流は「休日」に何をしているのか』 をご紹介いたします。

 

「世界の一流」などという仰々しいタイトルがついていますが、リーダーシップの心得として参考になりそうなことは多くありましたので、それらをご紹介したいと思います。

 

この書籍は、世界のトップビジネスパーソンの休日の過ごし方を参考にして、より充実した休み方を提案しています。著者の越川氏は、マイクロソフト米国本社で業務執行役員として活躍し、そこで世界のリーダーとの関わりの中から得た “戦略的な休み方”の知見を紹介しています。

 

以下、参考になりそうな部分を紹介します。

 

世界水準のエリートであるエグゼクティブの休日の過ごし方には、大きな共通点があります。彼らは、休日を『何もしない時間』と考えるのではなく、「積極的にエネルギーをチャージする時間」(休養)と「知的エネルギーを蓄える時間」(教養)と位置付けているのです。
  1. 趣味や好きなことをする
  2. 家族や友人と過ごす
  3. 読書をする
マイクロソフトには、約3000人のバイスプレジデントがいますが、彼らの休日の過ごし方を観察してみると、大きく二つの共通点があることに気付きました。一つは、土日の休日を、次の1週間を成功に導くための準備期間と考えて「自己再生」(本来の自分を取り戻す)を意識していること。もう1つは、スポーツや趣味、家族や友人とのバーベキューやキャンプなどを楽しむことで、身体と心、脳のリフレッシュを図り、次の1週間に向けて、エネルギーを「チャージ」(充電)していることです。

 

今や、「休日を家でダラダラ過ごす」ような方たちは、もう日本でもいないのではないかと思いますが、当然世界のリーダーは、休日も目的をもって過ごし、“何していたかわからないうちに、週末が終わってしまった”なんてことはないわけですね。限られた時間を有効に使うという意味では、当たり前です。

 

では、世界のリーダーは、休日に何を「チャージ」するのでしょうか。

 

彼らのような世界水準のビジネスパーソンが休日に求めているのは、心身のエネルギーをチャージすることによって、「自己効力感」を高めることです。
自己効力感とは、米国スタンフォード大学教授の心理学者アルバート・バンデューラ博士が提唱した概念で、目標を達成するための能力を自分が持っていると認識することを指します。シンプルに言えば、「自分ならできる」とか、「きっとうまくいく」と自分の可能性を肯定的に認知できる心理状態のことであり、前向きな気持ちを手に入れ、パワフルに働くことで、仕事の生産性を高めるためには極めて重要な要因となります。
自己効力感とは、・・・「自分に自信を持つ」ということです。

 

なんかすごいですね。では、自己効力感が高いとどんな点がいいのでしょうか。

 

自己効力感が高い人は、どんな状況でもポジティブに行動できるだけでなく、次のような5つの特徴を持っています。

    1. 新しいことに積極的にチャレンジする
    2. どんなことでも素早く行動を始める
    3. 失敗しても過度に落ち込まない
    4. できない理由ではなく、どうすればできるかを考える
    5. 周りから学ぶ姿勢を持っている

 

 

なるほど。めちゃめちゃ前向きなパワーを蓄えているということです。ではどうしたら、そんな自己効力感をもつことができるのでしょうか。

 

自己効力感を高めるための4つのアプローチ

アプローチ①:簡単な目標を設定して、小さな達成感を得る
アプローチ②:新しいことにチャレンジする
アプローチ③:人とのつながりを大切にする
アプローチ④:自己省察の時間を持つ

 

 

では、自分を取り戻すために何をやっているのでしょうか。

 

私が興味を持ったのは、彼らが身体やメンタルのコンディションを考えるだけでなく、「脳」を休めることにも気を配っていることです。

脳を休めて活性化するために、彼らは次のような取り組みをしています。

    1. 十分な睡眠
    2. 規則正しい生活リズムの維持
    3. バランスの取れた食事
    4. 運動やリラクゼーション
    5. 脳に刺激を与える活動

 

 

どんな人であっても、自身の責任を抱えて生きており、それをリセットすることも大切だという当たり前のことですね。まだ日本でも「休むことを申し訳なく感じる」ような文化があるところもあるのではないかと思いますが、学ぶべきは、以下のようなメンタリティかもしれません。

世界のトップクラスのビジネスパーソンとの交流の中で、私が最もインパクトを受けたのが、彼らの休日を大事にしている姿勢です。日本のビジネスパーソンは、休日を休息の時間と考えて、平日の疲れを癒すことを優先しがちですが、彼らにとっては、休日こそが主役であり、平日の仕事は大事な休日のためにある・・・と考えているのです。「休みにヨットやスキーをやっているのではない。ヨットやスキーのために、働いているんだ」と話すなど、エグゼクティブは仕事よりも休日の楽しみを優先して考えており、ハッキリと「仕事は究極の暇つぶし」と言い切る人もいます。
彼らには、他人との比較で自分を判断する・・・・・という発想がありません。世界の一流は、自分と自分のファミリーを大切にしていますが、「あの同僚は自分よりも楽しい休日を過ごしていそうだ」とか、「あのファミリーは自分のファミリーより幸せそうだ」と考えることはなく、あくまでも自分と自分のファミリーを「中心軸」に置いて、すべてを判断しています。

 

皆一人ひとり異なる人生を生きているわけですから、比べるようなことはせず、自分の人生を主体的に生きる。また、自分の時間をできるだけ主体的に管理して、幸せな人生を送る。それは、仕事だろうが休日だろうが関係のない、幸せな人生を送るためのコツなのでしょう。

 

彼らが大事にしているのは、「時間とエネルギーを主体的にコントロールして、自分で管理する」ということです。
自分が主役の時間を自分がコントロールして、自分が選んだことをやっている・・・・・という感覚が、生きがいや働きがいに大きく影響します。主体的に時間を使うことを、私は「時間自律性」と呼んでいます。・・・・・この「時間自律性」に気づき、それを高める努力をすることが、自分で自分を評価することにつながるということです。

 

自分自身の人生を幸せに生きるために、主体的に考えて、行動して、生きていく。そんな当たり前のことを実践していきましょう。

 

 

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