『すごいリーダーは「脳」が違う』 苫米地 英人 著

『技』 - スキルを磨く

ここのところ、「脳」をテーマに、書籍をご紹介しています。連休ですし、今日も「脳」に関する書籍を紹介しようと思います。

 

今回も、苫米地 英人さん著作の、『すごいリーダーは「脳」が違う』です。脳の使い方によって、リーダーシップの質を向上させることができ、具体的なアドバイスやトレーニング方法を紹介してくれています。

 

まず、苫米地さんの考える「優れたリーダー像」を以下と記してます。

本当のリーダーとは、人を支配するのではなく、人々に満遍なく幸せと安らぎをもたらす存在
リーダーとは、ゴールをリアルに認識し、それをすべてのメンバーと強く共有できる人

 

 

なんと、私が考えるリーダーシップと同様に、「幸せ」を与える存在、と言っています。うれしいですね。

では、優れたリーダーになるためには、どんな能力が必要なのでしょうか。

 

リーダーになるためには、情報収集能力、同調能力、責任能力、の3つの条件が必要
リーダーは、できるだけ高い抽象度で物事を判断しなければならない。統括して上から俯瞰するように眺めて、判断する…これが情報収集能力につながる
抽象度を高くすれば、抜け落ちている情報に気づくことができる。簡単な方法として、自分と違う視点の人をそばに置く
リーダーの決断と部下の決断が、自然と同じになる力、それが同調能力である
責任とは、臨場感空間でコントロールしている人々に対して、その臨場感空間における責任を取るということ
責任が取れない人は、リーダーになってはいけない。リーダーになる人は、覚悟を持ってコントロールするべきです。逃げない、と腹をくくってください。

 

 

全体俯瞰で情報を正しく収集することは、「新しい脳」を作る過程でも紹介されたことです。「技」の部分です。一方、同調能力については、「納得性」という言葉でも表現できそうです。これも「ソフトな技」であり、人間性も関係しそうです。

 

また「責任」とは、英語で言う「コミットメント」という漢字でしょうか。覚悟。これは、「心」につながる部分ではないでしょうか。

 

ただ、ここで「臨場感空間」という、あまり聞きなれないコンセプトが出てきます。何でしょうか?

 

リーダーとは、ある臨場感空間をコントロールできるものを指す。あなたがコントロールできる臨場感空間に、人々を引き寄せればいい。(これを「Rゆらぎ」と云う)
もし自分の中で、相手がコントロールされた状態を上手く再現することができれば、それをそのまま相手に移行させ、コントロールすることが可能になる
同調させるには、基本的に、男性の場合は視覚に訴える。女性の場合は、記憶に訴える。例えば車を売る場合、男性には車体の格好良さや内装、クルマに乗ったときに広がる素晴らしい世界など、ビジュアル的に話す。一方で女性には、昔の彼氏とドライブで夜景を見に行ったことや、海へ行ったことなど、とにかく楽しかった体感を引き起こす
あなたの「快楽」体験を相手が共有すると、当然相手にもドーパミンが出て行かざるを得なくなる。それは、相手を自分の臨場感空間に引き寄せたも同然
相手を説得するときは、臨場感のときとは違い、抽象度が高い内容でいい。抽象度が高ければ高いほどよい。なぜなら、抽象度が高いと、相手の対象範囲が広く、制約も少ないので、要求を受け入れやすい
従わせたい目的の抽象度は高く、コントロールする臨場感の抽象度は低くすること。極端な話をすれば、世界の戦争をなくすためには、相手をキャバクラに連れて行けばいい

 

ちょっと難しいですね。皆さんなりの解釈をされればいいと思いますが、私は「コンテクスト」を上手に共有して感情的な結びつきを得た上で、言葉として少し抽象度の高い言葉で言語化する。この感情的な結びつきの上でゴール、最近はパーパスというコンセプトも多く用いられますが、これを誰もが同じイメージで共有、コミットする。これが優れたリーダーの能力の1つであると。

 

プラーナを身に着ける瞑想法

まずはまぶたを閉じ、5年後に自分がどうなっていたいか、想像する。そして、イメージした世界を自由自在に動かす。瞑想でイメージの世界を動かすというのは、自身の気を強くするだけでなく、抽象度を上げる練習でもあり、臨場感空間をコントロールするテクニックを磨くことにもつながる

 

このようなテクニックも紹介されています。

 

そして、強いリーダーシップを発揮するために、

 

ゴールが強烈であればあるほど、劇的な変化を遂げられます。これはつまり、強烈なゴール、強烈な臨場感が人間を進化させるということです。真のリーダーとは、この過程を経て生まれるもの。真のリーダーは、リーダーシップを取ることが精神的、身体的に当たり前となる人です。ある世界に強烈なゴール、臨場感を持てば、結果的にその人に強烈なリーダーシップが備わります。

 

MTPという、未来にこんな世界になるであろう、と強く具体的にイメージを持つことが、現在の課題に気付きイノベーションの原動力になるという書籍を紹介しましたが、リーダーシップも同様なのか、自分の内部から湧き上がる、まずはなりたい世界、なりたい姿、そしてそれをできるだけ具体的にして、イメージを共有するようにすること。脳内でのイメージを上位から下位まで客観視することで、このような能力も身についていくのかもしれません。

 

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