記念すべき最初のメモは、2024年に読んだビジネス書の中で、影響を大きく受けた1冊から始めます。
植野 大輔/堀田 創さんによる、『トランスフォーメーション思考』 です。
影響を受けたフレーズを、ピックアップして、ご紹介します。
「当事者たちが自らを作り出す未来の世界に、どれだけ臨場感を持てるか」 この状態にいるときの思考を、本書では、トランスフォーメーション思考とよんでいます
本書の根幹は、MTPを描き、そこに臨場感を持つ、ということです。MTPとは、Massive Transformative Purposeの略称で、個人や組織が最低30年以上先に実現する、現状とは全く異なるような世界観、という意味です。
「臨場感のある未来」とは何か。それは抽象論やコピーではなく、映像やストーリーなどで未来の姿を提示することだ。「こういう未来が確実に来るんですよ」「私たちの日常がこう変わるんですよ」ということを目に見える形で提示して、その感覚や感情を共有していくわけだ。これが臨場感のある未来である。
大きな未来を解像度高く描くこと。その未来への臨場感を保ち続けること。この2点をおさえると、トランスフォーメーション思考は再現できる。またこれを獲得すると、未来にしか臨場感を持てなくなる。・・・「どう考えてもこうなる」という確信の状態であり、「そうなっていない今がおかしい」というような違和感である。
普段の生活の中のあらゆる場所で、「なんでこんなおかしいことになっているのか?」と違和感を抱くようになるのだ。このような思考回路に入れ替わった時、街を見渡せばすべてが大きなイノベーションのチャンスに見えてくるし、事業に対する見え方も根本から変化し、様々な抜本的アイデアを思いつくようになるのだ。本書ではこれをトランスフォーメーション思考とよぶことにする。
90年代以降ずっと低成長が続いているが、それは経済環境だけの問題ではない。トランスフォーメーション思考の観点から言えば、MTPを描かなくなった、MTPを見失ったために、国家も企業も個人も、どこに向かってどう頑張ればよいのか、わからなくなってしまったのである。
今の日本企業に必要なのは、妄信的にPDCAにすがるのではなく、OODAと呼ばれるサイクルで臨む姿勢である。これは、Observe-Orient-Decide-Act を略したものである。OODAとは、その場その場で状況を観察し、臨機応変に決断して素早く行動に移し、それを繰り返すことで最終的に勝利するということだ。
VUCAな世の中で、ちょっと先の未来を思い描くことも難しくなっていますが、大きな視野に立つ構想力により、あるべき姿を、解像度高くイメージしきること。その大切さに気付かせてくれた1冊です。
2050年は、いったいどんな世の中になっているのか。ぜひ想像してみてください。日常が、今までと全然違った景色に見えるかもしれません。